StaffRoom@古燐票博覧会 The Exhibition of Japanese Old Match Labels
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加藤豊 の メッセージ
加藤豊
かとう ゆたか
加藤豊のプロフィール

 古燐票(マッチラベル)、動物柄や植物柄、外国から発明品としてやってきた道具やキャラクターなどをモチーフに驚くほど多様な意匠がほどこされています。まさに小宇宙と呼びたくなるほど魅力があり、古くから古燐票(マッチラベル)を蒐集する人がいました。
 今、私は、古燐票〔Old Match Labels〕を日本の文化遺産として後世に伝えていく使命を感じます。
「ほどよい不便」
 いまの世の中、IT文化の恩恵で、便利で、たやすく、間違いのない効率化された社会が日常となってきて、いいことづくめのように思えますが、果たしてこのまま突き進んでいってしまって良いのかなって思います。世の中が進化するだけ自分の頭の中は退化してしまいそう。だってアレコレ考えなくていいんですから。
 日常の身のまわりの物やシステムがどんどんON/OFF、クリックすれば人間の介在なしの世界で求めるものが成り立ってきています。日常の生活でも銀行、駅の改札、自動販売機、ネット販売など便利な様で・・・・対話や物語のない生活は寂しい気分になります。 しかし、人間の欲やわがままは計りしれないもので、次から次へと競争のもと革命的新商品がボーッとしてるとついていけないくらいの勢いで登場してきています。
 マッチも明治の時代で考えると革命的新商品だったのでしょう。マッチの発明以前は、種火から必要な度に木のヘラなどに火を移し取って使うという危険と不便さを伴った日常でした。このマッチも今や機能的にはライターなどの発火具に劣る商品となってしまいました。でも、マッチを擦って火をつける行為はライターなどのON/OFFの火とはちょっと違う、暖かみをもったものに感じます。お気に入りの絵柄のマッチ箱からマッチ棒を出して自らの手で擦ってみる、そのちょっとした動きがそう感じさせるのかもしれません。火をつけるまでのマッチ棒の扱い方にもその人なりの技があったりもします。(ジッポのライターもそうですけれど)この一連の動作は、即効ではないけれど自分が主役になったようなちょっとした快感を伴います。凄い不便は困るけれど「ほどよい不便」だったら許せるでしょう。ちょっした気持ちの余裕があればマッチのような物でも道具との対話ができるのです。
ちょっとした不便さは、ちょっとした工夫を自らすることで、
ちょっとしたいい物に様変わりしたりもします。
 実はどうなってるのかは全然わからなくてもすぐに成り立ってしまうデジタル世界って人間の退化につながってしまうようでこわい思いもしてしまいます。勿論、デジタル文化の恩恵も受けていかねばこれからの社会を生きていけなくなるでしょう。でも、日常のちょっとした不便を逆に愉しもうという気持ちも大切なことかもしれません。そこにはほんの小さなことでも個人の知恵と人との関わりが生じてくることでデジタルな日常にはない暖かみがでてきます。
そんな意味で、マッチは 「ほどよい不便」を心地よくさせる道具なのです。
古燐票〔Old Match Labels〕
 私(マッチラベルコレクター)達の造語で「燐票(りんぴょう)」。 私の造語で「古燐票(こりんぴょう)」
 燐寸と書いてマッチと読ませることが難しくなってきています。明治からのコレクターの間ではマッチラベルのことを燐票(りんぴょう)、マッチレッテル、マッチペーパーなどと呼んでいた。まして燐票なんていうのは聞いたことがないという人が多くて、これは実は私のようなマッチラベルコレクター達が趣味的な意味あいで、燐寸の「燐」とラベルの「票」を組み合わせた造語で「燐票(りんぴょう)」。このことから私の肩書きも「燐票家」(「燐票蒐集家」のほうがもっとぴったりですね)となっています。これも初めて聞いた方が多いと思いますが、又は「愛燐家」ともいいます。
マッチラベルのデザイン
 マッチラベルのデザインは、驚くほど多様な意匠がほどこされ不思議に思われるでしょう。それは、明治・大正期にマッチは最盛期でその生産量の8割が輸出されていたからなのです。
 輸出用のものは、華商によって仕向け先(主に中国インド、東南アジア、ヨーロッパ、オーストラリア等)の趣好に合ったデザインが指定され描かれました。そのデザインには、製作者たちの想像の飛躍や模倣、パスティーシュの要素が多く含まれており、英.漢文を多用した珍妙な洋風.中華風に仕上がっています。そのどれも画面のどこかにMADE IN JAPAN(稀にNIPPON)の文字が打たれているのはその為です。国内においても積極的に舶来文化を受け入れる”ハイカラ”と呼ばれる風潮もあったようです。
一体誰が描いていたのでしょうか
 当時はイラストレータやデザイナーなどいなかった時代、それに代わる描き手としては、西洋崇拝気分のなか職に溢れた浮世絵師や絵馬師などが、その器用な腕を発揮したと考えられます。ただ多くの図案の中にいくつか質的落差が見受けられるのは他に燐寸会社内部で多少絵ごころのある素人が描いたことによるのかも知れません。3.8cm×5.8cmのアートスペースのなかに、消耗品として捨てられる運命を持っていながら、これだけ緻密な世界を描き続けた彼らには、不思議な畏敬の念を抱いてしまいます。
クリエーターの立場として
 以前は個人で楽しんで本づくりや展覧会をやってきてたのですが、やはりそれなりに発信し続けている中で徐々に興味をもってくれる企業、メーカー、出版社などからのアクセスもあり、デザイナーとして「こんな面白い文化も日本にはあった!」という視点から、いろんなパブリシティ・商品化・書籍編集・展覧会・・・と起ち上げています。現在、デザインの仕事に本づくりにマッチ活性化事業、そしてコレクターとして各地のギャラリーにて”古燐票博覧会”を主催しています。
企業と組んでの商品化実現
 他企業と組んでの商品化として、「燐票文具雑貨」の名でノートからトートバッグまで111種類のマッチ柄デザインをハンズなどの店舗で販売してます。車専用のマッチ柄クッションもオートバックスなどの店でアクセサリーとして出てます。ペンギンライターからマッチ柄オイルライターも作りました。日本マッチラテラルと組んで「オンリーワンマッチ」も作りました。今もいろいろと進行中です。

「マッチ」は、地球環境に優しいエコロジーな道具
 マッチは土に還りますが、百円ライターは年間億単位の燃えない危険なゴミとして大問題になりつつあります。
 しかし「マッチ」は、小箱は古紙で作られていますし、軸木は白楊樹系にアスペンという木で、そのまま放っておくと枯れてしまい雑木になってしまうので伐採したほうがいいという軸木をつかっています。また薬品についても子供が舐めても今は無害、工場廃水も無害ということで昔と違い危険な薬品は排除されたなかでマッチは作られています。「マッチ」は、地球環境に優しいエコロジーな道具なのです。

こういう雰囲気の中でデザイン活動
左は「週刊朝日」のグラビアページ掲載写真です。
日常私は、こういう雰囲気の中でデザイン活動をやっています。
週刊朝日掲載



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